しずてつストアは、バブル崩壊後の90年代半ばにかけて、グループ全体の事業を見直し、不採算部門を整理したのがきっかけで設立しました。スーパーマーケット事業の立て直しを図る中で、効率的な運営を目指して「新静岡センター」からの分社化を決定したのが、1999年1月27日です。分社化当時は、スーパーマーケット事業は11店舗で、年商が117億円規模。その後、急成長を遂げ、2009年までの10年間で33店舗、年商440億円規模まで拡大しました。わたしはその後、4年間の本社勤務を経て、静鉄ストアの社長に就任し、規模の拡大ではなく、中身の充実を目指して最初に収支の厳しい店舗の改善に着手しました。社長就任後は、計画期間(9年)内で持続可能な企業になるための土台づくりにひたすら取り組んできました。その基本方針は、「大手と反対の行き方を探る」ことです。特に力を注いでいきたいのが、お客様に買い物を楽しいと感じてもらえる店づくりです。例えば、家族で料理を作ることを楽しむ機会が増えるような提案や取り組みを行ったり、そのほか、商品の背景にある材料や製法、製造者の思いが伝えられるようにとパートを含む社員教育に取り組み、展示会への参加や新商品勉強会などによる知識共有を図ってきました。何より販売の最前線に立つパートさんに自分の言葉で語ってもらうことほど心強いことはなく、それが業績拡大の観点からも最善策であろうと考えたからです。食品業界を取り巻く環境を考えると近年は流通の再編や異業種からの参入などで競争は熾烈(しれつ)さを増す一方で、食品店はすでに飽和状態です。現状では、多店舗展開による業績拡大は得策ではありません。いずれは、事業規模、ターゲット層、取り扱い商材の再検討に迫られるかもしれない。その上で今後は、毎日の行動が持続可能な開発目標(SDGs)17項目に意識して取り組むことを心がけ、中期経営計画を遂行していくことを考えています。また、働き方改革では、生産性向上に向けた投資や定休日を設けるなどの施策を検討中です。そして、将来的には、「安全・安心・健康・美味しい・楽しい」という理念のもと、いま以上に確かな品質とサービスを提供し、お客様が買い物、料理、食事に喜びと楽しみを感じてもらえるようなスーパーマーケットとなることが理想だと思っています。SDGsを通して社会に貢献する企業へ「安全・安心・健康・おいしい・楽しい」を追求新たなステージへ挑戦します!創立20周年株式会社静鉄ストア代表取締役社長竹田 昭男これまでのしずてつストアしずてつストアが今後取り組むべきこと06Shizutetsu Store Report 2018
元のページ ../index.html#7