Shizutetsu Store CSR Report 2018
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  インタビュー記事竹田 2015年に、30年後には日本の人口が2割減るとの調査結果が出ました。胃袋が8割になると、食品スーパーも2割いらなくなるわけです。その生き残る8割に入るにはどうしたらいいか、それがSDGsじゃないかと思うんです。今、野菜や魚などの生鮮品が売れなくなっています。でも惣菜は売れているんです。材料を買って料理をしなくなっているんですよね。そうなると、食品スーパーの存在価値がないんです。皆さんお忙しいですから、料理時間を短縮することをやりはじめていて、我々もともすれば、それを奨励しているところがあります。自分で自分の首を締めているんです。だから元に戻って、材料を買っていただいて、料理をしてもらうことを勧めています。例えば鉄板焼甲子園や、料理教室なんかもおこなっています。蟹江 そういう話は、すごく進んでいるという気がしますね。SDGsでいえば、オランダの大手スーパーが、まだ食べられるのに様々な理由で廃棄されてしまう食品を使うレストランを作ったんですが、そこが結構人気だそうなんです。映像をみてもすごくお洒落なレストランで、結構お客様が来るらしいんです。そういうのも新しいビジネスになりますよね。竹田 ロス商品を使うから原価も掛からないですよね。蟹江 そうなんです。でも全然食べられるし、いいシェフが作ってくれて、毎日何が出てくるかわからない。そのレストランは、ここに来れば食品ロスの削減に貢献できることを前面に出しているんです。社会貢献しながら、おいしいものが食べられる。竹田 最近はコンビニも値引きをやり出しましたね。スーパーでも夜7時過ぎになると生鮮品に3割引シールを貼ったりしています。でも、何%引という表現はよくないですよね。食品ロス削減にご協力ありがとうございます、といえばお客様も買いやすくなるし、ロスも減らせます。蟹江 なるほど。そういう書き方や発想の仕方ひとつで変わっていきますし、SDGsでいえば、そのことがじつは世界の人に貢献しているとなると、買う人も気分がよくなると思うんですよね。竹田 今は大手もこういう活動を始めていますが、大手は大量生産、大量消費が必要になってきますので、うちみたいなローカルのほうが取り組みやすいと思っています。蟹江 おっしゃったように、SDGsにより親和性があるのは、大手よりも地元に根付いたローカルな活動をされているところになると思います。今後は高齢化社会になってきますので、今はスーパーに歩いて来ているお客様が歩いて来られなくなったりします。そういう人たちにいかに買物する喜びを援助していくか、グループである静岡鉄道とタイアップしたりデリバリーなど、そういう対応も大事になってきますね。マイバックの貸し出しをおこなっているところもあります。北海道の下川町という人口の少ない町なんですが、マイバックを持ってきていなくても貸し出してくれるんです。その代わり、ちゃんと返却します。そんなふうに、やる余地はいろいろあると思います。SDGsがビジネスチャンスになる対談特別08Shizutetsu Store Report 2018

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